コンパクトな空間でも猫と人が快適に暮らすには、どんな工夫が必要なのでしょうか。今回は、年齢の異なる3匹の愛猫と暮らす飼い主さんの、実用的かつおしゃれなアイデアがつまったお部屋をご紹介。また、二級建築士の中村裕実子さんにもお話を伺いました。
家具は3匹の猫たちの動線に配置
ウズラくん、モナカくん、チョコくんの3匹の愛猫と、3LDKから広めの1LDKのマンションに引っ越したというYさん。コンパクトな空間でも、猫たちも人も快適に過ごすための実用的かつおしゃれなアイデアが随所に見られます。
たとえば、猫専用のスペースをあまりつくれない分、家全体の家具の配置を猫たちが上下運動したり、歩き回ったりできる動線になるよう工夫しているそう。
窓際の高さの棚からは猫たちが外を眺められるほか、14才と高齢のウズラくんも棚に上り下りできるよう、棚より低いローテーブルを合わせて置くことで、ステップとしても兼用しているそうです。
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飼い主用のモノを猫と共有して効率よくスペースを活用
モノについても、飼い主さん用のものを賢く使って猫と兼用しているといいます。シニア猫のウズラくんがキャットステップ代わりに使っているのは、飼い主さんの収納ボックス。引き出しつきで高さのあるベッドの上にも、収納ボックスをステップ代わりにして楽にアクセスできるのだそうです。
※人用の収納ボックスなどに猫がのる場合は、中に衣類をつめるなどして安全性に配慮するようにしましょう。
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シニア猫の食事場所は若い猫たちとは別々に
若くて食べ盛りの2匹と比べると、ウズラくんは食べるペースがゆっくりなので横取りされがちなのだとか。さらに、フードによってアレルギー反応が出るチョコくんのため、食事管理の徹底も必要という3匹の食事事情。1匹だけフードが違うウズラくんと若い2匹は、場所をわけてゴハンを与えているそうです。
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物件は病気やケンカのときに仕切れる間取りのものをチョイス
1匹から感染し、当時飼っていた猫4匹のうち3匹が猫カゼにかかったという経験をもつYさん。早めに隔離すべきだったという反省から、部屋数が少なくても仕切れる間取りを考慮して物件を選んだそうです。猫同士でケンカになりそうなときも、居場所を仕切ることで落ち着かせられるのだとか。
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3匹それぞれにお気に入りのパーソナルスペースを設ける
基本的には仲がよいものの、距離が近くなりすぎるとときにケンカをすることもあるという、つかず離れずの3匹。それぞれにちょうどいい距離感が保てるよう、少し距離を置いた場所に1匹ずつのパーソナルスペースを設けることで、良好な関係性の維持にも配慮しているのだそうです。
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【中村さんからのコメント】「猫と共有」という発想によってムダのない素敵なインテリアに
人の家具やモノを上手に猫と共有することでムダがなく、おうちの中がスッキリしていてとても素敵ですね。年齢が離れた猫の複数飼いだと、若い猫は思いっきり走りまわりたいし、シニア猫はそんな若い猫がうっとうしい、といったことが起こりがちですが、そんなときに仕切れる間取りも、とても実用的だと思います。
限られた空間で猫と人が快適に暮らすためには、猫たちの関係性や個々の事情に配慮するのはもちろん、スペースを効率よく活用することも大切なようです。今回ご紹介した内容を、お部屋づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。
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お話を伺った先生:中村裕実子さん(二級建築士 ホリスティックケアカウンセラー)
参考・写真/「ねこのきもち」2025年4月号『猫の数や関係性、個々への配慮も 匹数別 猫仕様の家、見せてください』
文/宮下早希
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