猫の行動を観察する際、つい人目線で考えてしまうことがありますが、猫には猫の世界があるため、あまり擬人化して猫の気持ちをイメージしすぎると、その真意をくみ取れない場合があります。
そこで今回は「しっぽを振る」「足元にすり寄る」など、飼い主さんが真意を誤解しがちな3つの行動について、愛玩動物看護師の小野寺温先生に伺いました。
しっぽを大きく振るのはなぜ?

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ねこのきもち投稿写真ギャラリー
「犬がしっぽを振るのはうれしいときや機嫌がいいとき」とよく知られているため、猫がしっぽを大きく振っているのを見ると、犬と同様に「うれしいのかな」と思ってしまいがちです。
しかし実際のところ、猫がしっぽを強めに大きく振っているのは、イライラしているときや、獲物を狙って攻撃したい気持ちが高まっているとき。犬と猫では行動の意味が異なると知っておくといいでしょう。
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人が泣いているときや落ち込んでいるときにそばにいるのはなぜ?

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飼い主さんが泣いているときや落ち込んでいるとき、愛猫がそばにきてくれると「心配してくれているのかな」と感じるかもしませんが、実際は違います。
猫は「すべてがいつもどおりであること」に安心を覚える動物。そのため、飼い主さんがずっと泣いていたり、落ち込んでいたりして、いつもと同じ行動をしない状況になると、猫は「いつもと違う」「何かが変だ」と感じ、警戒スイッチがオンになるのです。
飼い主さんの近くにくるのは、自分に危険なことが起こらないかどうか、注意深く観察しているからでしょう。
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人が帰宅したときに足にスリスリするのはなぜ?

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帰宅時に愛猫が足元にきて体をスリスリしてくると、「寂しかったアピールかな?」と思いがちですが、実際はそうでははなく、自分のニオイを飼い主さんにすりつけているのです。
帰宅直後の飼い主さんの体には、外の世界のさまざまなニオイがついています。猫はそのままでは安心できないため、自分のニオイをつけ直す目的で、飼い主さんに体をこすりつけるのです。
なお、猫によっては同時に「ゴハンちょうだい」「かまって」など、アピールの気持ちが含まれていることもあるでしょう。
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ご紹介した行動のなかに、ご自身が勘違いしていたものはありましたか? 愛猫の行動の意味を正確にくみ取って接してあげれば、今以上に絆が深まるかもしれませんね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2025年5月号『正しく読み取れてる? 誤解しがちなしぐさ 猫の本音はこうだった!』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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