猫がかかりやすい「慢性腎臓病」。毎日のちょっとした習慣の積み重ねが腎臓の負担を和らげ、発症リスクを減らすことにつながります。今回はモノカどうぶつ病院院長の小林清佳先生が、猫を慢性腎臓病から守るお世話についてのギモンに答えてくださいました。
「腎臓に配慮したフード」はどの猫に与えてもOK?

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Q. 「腎臓に配慮したフード」はどの猫にも与えてよいのですか?
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A. 「療法食」は健康な猫には与えないで
「腎臓に配慮したフード」にもさまざまなタイプの商品がありますが、「総合栄養食」もしくは「一般食」という表記のあるものは、基本的にどの猫に与えても問題ありません。愛猫の好みに合うなら適量を与えてもよいでしょう。ただし、「療法食」と表記のあるものは、腎臓病の猫を対象としたもので、健康な猫には適しません。獣医師から処方された場合にのみ与えるようにしましょう。
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腎臓ケアのサプリは自己判断で与えてOK?

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Q. 腎臓ケアのサプリは、自分の判断で与えてもよいですか?
A. 与え方にコツがいる性質のサプリも
サプリは“食品”であって薬ではないので、基本的にはどの猫にも与えられますが、かかりつけ医に相談するのがベターです。また、与える場合は必ず猫用を用意しましょう。腎臓ケアに用いられるサプリには、おもに乳酸菌系、必須脂肪酸系、吸着系(活性炭など)、アミノ酸系などがあります。このうち吸着系のサプリは与え方にコツがいるため、事前に獣医師の指導を受けるようにしましょう。
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猫の水は浄水器を通すべき?

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Q. 猫に与える水は、浄水器を通したほうが安心ですか?
A. どちらでもOK。浄水器を使う場合はお手入れを万全に
日本の水道水は高い安全基準をクリアしているため、必ずしも浄水器を通す必要はありません。気になる場合は使ってもよいのですが、浄水器のお手入れは忘れずに。ちなみに、硬水のミネラルウォーターは尿石症のリスクを高めるので与えないでください。
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若いうちから心がけることは?

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Q. フードに関して、若い頃からできることがあれば教えてください。
A. いろいろな食感のフードに慣れさせておいて
慢性腎臓病は進行とともに食欲が落ちますが、体力維持には栄養摂取がカギになります。特定のタイプのフードしか食べられないと、治療の選択肢が限られてしまうことも。若い頃から、なるべくいろいろなタイプのフードに慣れさせておきましょう。
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猫の腎臓病は体質による部分も大きく、どれだけ気をつけていても発症することはあります。神経質になり過ぎることなく、正しい知識をもったうえで、できる限りリスクを減らすお世話や健康管理を習慣にしたいですね。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2025年9月号『猫がかかりやすい慢性腎臓病予防のためにも 今すぐ始められる!「腎ケア」習慣』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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