季節の変わり目に体調を崩す猫は多いようです。冷えや暑さなどのストレスは、泌尿器のトラブルや病気の原因になることも。泌尿器に作用するツボをやさしく刺激することで、症状の改善やトラブルを予防できる可能性があります。
今回は泌尿器に作用するツボとそのマッサージ方法について、獣医師の中桐由貴先生に教えていただきました。
オシッコの色が少し心配なときのマッサージ
オシッコの色などが心配なときは、猫の両耳の付け根にある「玉枕(ぎょくちん)」というツボを刺激しましょう。頭から腰までをほぐし、血液やリンパ液の流れをよくします。オシッコが濃いなど少し心配なとき、不調ぎみのシニア猫などの泌尿器の働きを助けます。
続きを読む
マッサージ方法
① ウォーミングアップを兼ねて、頭の上や後頭部を指先で軽くなでます。
② 左右のツボに指先をあて、頭上の中央に寄せるように、頭の上の皮膚をやさしくつまみます。
③ 皮膚をつまんだまま、左右にゆっくりと揺らします。3〜5往復を目安に行いましょう。
続きを読む
冷えなどが原因の頻尿・尿漏れが見られるときのマッサージ
背骨の両脇には「腎兪(じんゆ)」「膀胱兪(ぼうこうゆ)」といった、その名の通り泌尿器に作用するツボがたくさんあります。病気ではないものの、尿漏れや頻尿などのトラブルがある猫は、このあたりが冷えていることが多いです。
続きを読む
マッサージ方法
ツボがあるあたりに、順に手のひらを置きます。熱がつたわるとポカポカしてくるはず。10秒を目安に行いましょう。
泌尿器系のトラブル全般におすすめのマッサージ
下腹部中央にある「中極(ちゅうきょく)」は、泌尿器系のトラブルによく使うツボ。ここを温めることで、尿漏れや頻尿の改善を助けます。また、筋力の低下や自律神経の乱れが原因で、こうしたトラブルが起こりやすいシニア猫の体調を整えることも期待できます。
続きを読む
マッサージ方法
① ツボがあるあたり、下腹部〜股全体に手のひらを置いて温めます。10秒が目安です。
② 猫を仰向けにするのが難しい場合は、うつ伏せの猫のおなかの下に手を入れて温めます。
水分のめぐりを整えるマッサージ
「湧泉(ゆうせん)」は、後ろ足の足底球(一番大きな肉球)の下にあるツボ。ここをもむことで体全体の水分のめぐりを整えます。泌尿器系の働きを助けるとともに、むくみや疲れをとる効果も期待できます。
続きを読む
マッサージ方法
① 後ろ足のツボをもみます。指先の腹で、肉球の弾力を感じながら行います。10回が目安です。
② 余裕があれば、前足の掌球(しょうきゅう)の下も同様にもんでみて。ストレスの緩和が期待できます。仰向けなど、マッサージしやすい体勢で行いましょう。
ご紹介したマッサージは、静かな環境と快適な室温のもと、猫がリラックスしているときに行うのがポイントです。触られるのが苦手な猫に、いきなりマッサージをしたり、無理なスキンシップをとるのは避けましょう。猫のほうから飼い主さんに近づいてきたときがチャンスです。一度に全身を触ろうとせず、徐々に触る範囲を広げていくといいでしょう。
また、愛猫のオシッコの変化は病気が原因のケースもあるので、いつもと色やニオイが違うなど、気になる症状が見られたときは必ず受診するようにしてください。
続きを読む
お話を伺った先生/中桐由貴先生(アニマルケアサロンFLORA院長 獣医師)
参考・写真/「ねこのきもち」2026年5月号『排泄トラブルの予防&緩和にアプローチ いいオシッコ・ウンチのためのハンドマッサージ』
文/柏田ゆき
記事一覧に戻る