ノルウェージャンフォレストキャットは、名前にもあるようにノルウェー原産の猫です。北欧神話にも登場するほど歴史は古く、数百～数千年にまでさかのぼります。ノルウェージャンフォレストキャットの特徴や性格、歴史やかかりやすい病気について、ご紹介します。

ノルウェージャンフォレストキャットの特徴・性格・毛色

ノルウェージャンフォレストキャットは、名前にもあるようにノルウェー原産の猫です。北欧神話にも登場するほど歴史は古く、数百～数千年にまでさかのぼります。トルコの長毛種の子孫であるという説や、ロシア東部原産のサイベリアンに関係があるなど、由来には諸説あります。

ノルウェージャンフォレストキャットの飼いやすさ　各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向

※このグラフは、『新しい猫の教科書』（高野八重子著、緑書房刊）の記述をもとに編集室で作成。これらはあくまで目安ですので、飼育環境や状況、個体により異なることがあります。

ノルウェージャンフォレストキャットの性格

ノルウェージャンフォレストキャットの性格は、優しくて穏やか・我慢強い・甘えん坊などの特徴があります。人間の子どもにいたずらされても、怒ることなくじっと耐えます。頭や頬をなでられるのも好きで、飼い主を信頼すると甘えん坊な性質が顕著になります。適度なスキンシップで思いきり甘えさせてあげると良いです。
社交的で人なつっこいことから、猫初心者でも飼いやすい性格の持ち主です。穏やかな性格を持ちながら、大胆さも時折見られます。厳しい寒さの中で狩りをしていた頃の名残が、好奇心の強さとなって表れてきます。

ノルウェージャンフォレストキャットの大きさと体型

体はボックス型でとても大きく、前足に比べて後ろ足が少し長めの腰高なスタイルです。全身の骨格と筋肉がしっかりしており、たくましい印象を受けます。顔の形は逆三角形で気品のあるスマートな顔立ちです。鼻筋は直線で凹みがなく、顎がやや丸みがあるのが特徴です。成猫で去勢されたオスは体重が10kgになる猫もいます。
普通の猫は約1年で成猫になりますが、このノルウェージャンフォレストキャットは成熟するまで3～5年かかります。成長がゆっくりという点も特徴のひとつです。

体重：3～8kg

ノルウェージャンフォレストキャットの毛色の種類

ノルウェージャンフォレストキャットの毛色は、とてもバラエティに富んでいます。白・黒・ブルーそしてレッドなどの単色、シルバー・スモーク・トーティシェル・ブルークリーム・アンバーや各種のタビー模様。そしてそれらに白い毛色が入ったバイカラーやキャリコなど、柄のあらわれ方も実にさまざまです。

ノルウェージャンフォレストキャットの心配な病気

ノルウェージャンフォレストキャットの平均寿命は、14～16歳と長めです。心配な病気として、遺伝性の疾患にかかりやすいことが挙げられます。

・心臓の壁が厚くなり、そのはたらきを弱くしてしまう遺伝性の病気「肥大性心筋症」
・母猫のお腹の中にいる頃から誕生して成長する過程で、目の網膜が異常に分化してしまう病気「網膜形成異常」
・腎臓に水の溜まった袋が形成されることで、腎臓を破壊してしまう病気「多発性嚢胞腎」
・ピルビン酸キナーゼという酵素が足りなくなって赤血球が破壊され、貧血が起こる「ピルビン酸キナーゼ欠乏症」
・グリコーゲンをうまく分解することができず、体内に蓄積されてしまう「糖原病（Ⅳ型）」

ノルウェージャンフォレストキャットの価格相場(2025年)

愛猫の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーから、保護猫などさまざまな方法があります。例えばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。

価格

33万円～

※ペットショップ・ブリーダーのウェブサイトを編集部で調査（2025年4月）。

ノルウェージャンフォレストキャットの飼い方

ポイント（1）運動量を確保する

他の種類の猫と比べて体大きいノルウェージャンフォレストキャットは、より多くの運動が必要です。活発な性質も持ち合わせているので、いたずらに発展するほど元気いっぱい動き回ります。また高いところに上るのも大好き！キャットタワーを設置するなどして、遊びながらしっかり運動できる環境を作ってあげることが大切です。

ポイント（2）年齢と目的に応じたフードを与えて

主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きです。フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているものを選んで。

猫は、成長や年齢ごとに必要とされる各栄養素の量が異なります。「子猫用」「成猫用」「シニア猫用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。

ノルウェージャンフォレストキャットは長毛なので、毛づくろいで毛を大量に飲みやすい傾向が。ですから、毛玉に配慮したフードを与えてもいいでしょう。また、筋肉が発達しているので、運動で鍛えるとともに質の良い栄養で健康な筋肉を維持できるようにしてあげましょう。他の猫よりも摂取カロリーが必要ですが、与えすぎにならないよう注意してください。

猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、そのぶん、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるよう注意しましょう。

ポイント（3）1日5～10分以上は遊んであげて

お気に入りのおもちゃを使うなどして、１日に最低でも５～10分以上は集中して遊んであげましょう。遊ぶ際は、体が大きいぶん、動きも大きいので、周囲の危ないものは片付け、十分なスペースが確保できるといいでしょう。

また、猫は高いところに上る習性があり、屋内という限られた空間でも、立体的な上下運動をさせるようにして。猫ができるだけ自由に活動できるよう、猫タワーを置く、タンスや棚をうまく配置して高いところに行けるようにするなどの工夫を。

運動好きとはいえ、加齢で足腰が弱ってくることがあるので、ある程度の年齢になったら、よく上る場所にはステップを付けてあげるなどするといいですね。

ポイント（4）毎日ブラッシングをしてあげる

ノルウェージャンフォレストキャットは、その美しく長い体毛が魅力のひとつです。ただ、ダブルコートなので、毛がもつれやすく毛玉ができやすいという難点もあります。美しい毛並みを保つには、毎日のこまめなブラッシングが欠かせません。
ブラッシングのポイントとして、ピンブラシやコームを使って毛先からとかしはじめることです。毛先のもつれや絡まりを取ったら、段々と根元のほうをとかしていきましょう。毛先→根元の順番を守ることで、猫に負担をかけることなくブラッシングができます。換毛期には多量の毛が抜けるので、シャンプーをするのが効果的です。

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引用元：ねこのきもち投稿写真ギャラリー

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ノルウェージャンフォレストキャットの歴史や背景

ノルウェージャンフォレストキャットの起源は諸説ありますが、一番有力なものは11世紀頃、ノルウェーに交易品として渡った長毛種のトルコ猫が起源とされています。

スカンジナビア半島の厳しい冬にも耐えられる長毛であったことから広い地域で飼われ、神話等にも多く登場します。しかしすぐには単独の猫種としては認められず、1993年に新種としてCFAなどの登録協会で認定されました。
これほど時間がかかった理由は、メインクーンと特徴が酷似していたためといわれています。アメリカには1970年代に、イギリスには1980年代に伝えられました。

監修： 高野八重子先生（ヤマザキ動物専門学校）
参考：『猫の教科書』（緑書房）

写真選定協力：石原さくら
猫写真家として、「ねこのきもち」表紙他多数で活躍するほか、メディアの出演・講演も多数。著書・共著に「てらねこ　毎日が幸せになる お寺と猫の連れ添い方」（KADOKAWA）、「かわいいかわいい　ねこのかぶりもの」（パルコ）など。愛玩動物飼養管理士1級。A級キャットグルーマー。デボンレックスとシンガプーラのブリーディングの経験もあり、猫の品種についての造詣も深い

※猫の性格や特徴には個体差がありますので、あくまで目安としてください。
※猫種の起源や歴史については諸説あります。