
コーニッシュ・レックス
- 英語名
- Cornish Rex
- 原産国
- イギリス
- 公認団体
- CFA、TICA、FIFe、GCCF
- 毛種
- 短毛種
さざ波のような縮れ毛をもつ不思議な猫、コーニッシュ・レックス。その容姿は「宇宙からやってきた猫」と形容されるほど、ほかの猫種とは異なっています。そんなユニークなコーニッシュ・レックスの特徴や性格、歴史やかかりやすい病気について、ご紹介します。
さざ波のような縮れ毛をもつ不思議な猫、コーニッシュ・レックス。その容姿は「宇宙からやってきた猫」と形容されるほど、ほかの猫種とは異なっています。そんなユニークなコーニッシュ・レックスの特徴や性格、歴史やかかりやすい病気について、ご紹介します。
細長くしなやかにアーチした体型、卵形で彫りの深い顔、直立した巨大な耳など、ほかの猫種とは異なるユニークな容姿がコーニッシュレックスの魅力。すべての要素が見る者の興味を引いてやみません。
さざ波のようにウェーブした被毛はとても柔らかで短く、ヒゲや眉毛も縮れています。
※このグラフは、『新しい猫の教科書』(高野八重子著、緑書房刊)の記述をもとに編集室で作成。これらはあくまで目安ですので、飼育環境や状況、個体により異なることがあります。
コーニッシュレックスは外交的で穏やかな性格で、鳴き声が小さく、遊ぶことや人と接することが大好きです。ほかのペットとも上手に付き合います。
英国タイプと米国タイプで体型が異なります。英国タイプはブリティッシュショートヘアやバーミーズとの交配により、がっしりとした重量感のある体型をしています。それに対し、米国タイプは細くしなやかで、背中は曲線を描きます。日本では米国タイプが主流です。
体重:2.5~4.5kg
コーニッシュレックスの被毛はガードヘアがなく、ビロードのように典雅で滑らかな肌触りをしています。被毛の色はホワイト、ブルーなどのソリッドカラー、各色のタビー(縞模様)やバイカラー、キャリコなど、その他すべての色とパターンがあります。
・心臓の壁が厚くなり、血栓ができて詰まる恐れがある「肥大性心筋症」
・皮脂が分泌される部位にかゆみや発疹が出る「脂漏性皮膚炎」
・腎臓の働きが衰える「慢性腎不全」
・親猫との血液型の不適合によって起こる「新生児溶血」
・網膜が変性・萎縮してしまい、正常な機能を果たさなくなる「進行性網膜萎縮」
愛猫の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーから、保護猫などさまざまな方法があります。例えばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
価格 | 14万円~ |
外交的で人なつっこいコーニッシュレックスは、スキンシップが好きな人、一緒にいる時間を積極的に作ってあげられる人、楽しい遊びに付き合ってあげられる人などが向いているでしょう。
猫の健康のためにも、屋内飼育がおすすめです。猫は基本的に薄明薄暮性の動物で、日中は寝て過ごすことが多いため、安心して寝られるスペースを用意してあげましょう。
また、猫は上下運動を好むので、猫タワーを設置したり、上っても大丈夫な場所を部屋に作ってあげたりするといいですね。
コーニッシュレックスは好奇心旺盛なので、留守番をさせるときは、入ってほしくない場所には行けないよう制限し、誤食につながるような細かいものなどは片付けておきましょう。
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きです。フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているものを選んで。
猫は、成長や年齢ごとに必要とされる各栄養素の量が異なります。「子猫用」「成猫用」「シニア猫用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
また、猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、そのぶん、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるよう、注意しましょう。
外交的なコーニッシュレックスは活発で人なつっこく、人とのコミュニケーションが大好き。お気に入りのおもちゃを使うなどして、1日に最低でも5~10分以上は集中して遊んであげましょう。
また、猫は高いところに上る習性があり、屋内という限られた空間でも、立体的な上下運動をさせるようにしましょう。猫ができるだけ自由に活動できるよう、猫タワーを置く、タンスや棚をうまく配置して高いところに行けるようにするなどの工夫を。
被毛が少ないコーニッシュレックスは寒がりです。とはいえ、家中を暖かくするのではなく、暖かいところと涼しいところを用意して、猫自身が快適な温度の居場所を選べるように工夫してあげましょう。
獣毛ブラシで、やさしくマッサージをするようにブラッシングを。被毛は短く少ないので、頻繁に行う必要はありませんが、飼い主さんとのコミュニケーションが大好きなコーニッシュレックスには、ごほうび代わりにブラッシングを行うのもよいでしょう。
皮脂が多く分泌されるため、汚れが目立ちやすい傾向があります。月に1~2回シャンプーをしてあげましょう。皮脂による耳アカもたまりやすいので、耳掃除もこまめに。また、皮膚病にかかりやすい猫種なので、ブラッシングをしながら、皮膚に異変がないかをしっかりチェックして。
1950年、イギリスのコーンウォール地方の農場で飼われていたメス猫が、数匹の子猫を産みました。そのなかの1匹のオスは、毛が縮れた風変りな容貌をしていました。
縮れ毛は突然変異がもたらしたもので、潜性遺伝です。飼い主のニーナはその子猫から計画繁殖をスタートさせ、その後、ブリティッシュショートヘアやバーミーズと異種交配をしますが、この試みが大成功し、コーニッシュレックスが誕生しました。
1957年、1匹のメスのコーニッシュ・レックスがアメリカに輸入され、4匹の子猫を産むと、それを基礎にアメリカでの繁殖が急速に発展しました。アメリカのブリーダーたちは、サイアミーズやオリエンタルなど骨格の細い猫種との交配を進め、独自のタイプを作出。日本では、数は少ないものの、熱心なブリーダーによってハイレベルの猫が繁殖されていました。
監修: 高野八重子先生(ヤマザキ動物専門学校)
参考:『猫の教科書』(緑書房)
写真選定協力:石原さくら
猫写真家として、「ねこのきもち」表紙他多数で活躍するほか、メディアの出演・講演も多数。著書・共著に「てらねこ 毎日が幸せになる お寺と猫の連れ添い方」(KADOKAWA)、「かわいいかわいい ねこのかぶりもの」(パルコ)など。愛玩動物飼養管理士1級。A級キャットグルーマー。デボンレックスとシンガプーラのブリーディングの経験もあり、猫の品種についての造詣も深い
※猫の性格や特徴には個体差がありますので、あくまで目安としてください。
※猫種の起源や歴史については諸説あります。