リンパ腫の症状と治療、予防方法
解説
白血球の一種であるリンパ球が腫瘍化し増殖する、血液のがんです。腫瘍細胞が増殖する部位によって、いくつかの型に分けられます。食欲がなくなり体重が減る、活動的でなくなる、熱が出るといった症状から、病状が進むにつれてひどく痩せ、衰弱します。腹水や胸水がみられることも。活動的でなくなる。様々な部位のリンパ組織や臓器内で腫瘍細胞が増殖します。体の表面近くにある複数箇所のリンパ節が同時に腫れるといった症状がみられることもありますが、外見からは気づきにくい体内で病状が進むケースも少なくありません。例えば、左右の肺の間(縦郭)にあるリンパ組織が腫瘍細胞の影響で病的に腫れるタイプのリンパ腫(縦郭型リンパ腫)では、咳や呼吸のしづらさといった呼吸器症状や、胸水がみられることがあります。また、消化器に病変が起こるタイプのリンパ腫(消化器型リンパ腫)では、嘔吐・下痢といった消化器症状や食欲不振、病変部の腫瘤による腸閉塞が起きることも。主に、抗がん剤を用いる化学療法を中心とした内科治療を行います。病状や病変部の箇所など個別の症例に応じて、外科手術や放射線治療を併用する場合もあります。寛解(腫瘍細胞が消失し、病気に伴う諸症状が改善した状態)を目指し治療を行います。完治は難しく、再発することも少なくありません。猫白血病ウイルスへの感染で発症する場合もある。
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原因
原因は不明です。ただし、猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスに感染している猫では、感染していない猫に比べてリンパ腫を発症する確率が高くなることがわかっています。
症状
腫瘍細胞が影響を与えている部位や臓器によって、症状は様々です。多い症状としては、食欲不振、急激に痩せたり、よく吐く、下痢をする、活動的でなくなる、熱が出るといった症状が見られます。貧血や、腹水・胸水がみられることもあります。病状が進むにつれてひどく痩せ、衰弱します。
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診断
臓器の病変部やリンパ組織の病理組織検査、もしくは、腫れたリンパ節の細胞診により、腫瘍化したリンパ球を確認し診断。その他、血液検査、画像検査など。
リンパ腫の治療
抗がん剤を用いた化学療法を中心とした内科治療を行います。複数の薬を用いた多剤併用治療を行うケースが多いですが、状況によっては薬の種類を限定して治療を行うことも。また、病状や腫瘍ができている箇所など個別の症例に応じて、外科手術や放射線治療を併用する場合もあります。
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リンパ腫の予防
予防は困難です。ただし、飼い主さんの喫煙が発症リスクを高めるというデータがあります。また、猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスに感染している猫でも、発症する確率が高くなることがわかっています。日々の体調に注意し、定期的な健診を受けて早期発見、治療を心がけましょう。
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